緊張?

二人住まいの我が家に四人分の食事。 九州から僕の両親が上京してきました。で、うちに来るという。 両親がうちに来るのは……二回目になります。初めて来たのは五年前。まだ僕とミチコさんが結婚していないときのこと。 その頃、両親が結婚に猛反対だったことを思い出します。 んー……。いろいろあったものですよ。 ともかく、今日は家に来るらしい。結婚してからは初めてだ。 親として息子夫婦がどんな暮らしぶりなのか見たいのでしょう。となれば朝から大掃除。 両親は夕方五時に来るという。お茶を出してさようなら、という時間ではありません。 食事に行くとしても、あいにく我が家の周りには気の利いたお店はなし。(ファミレスならたくさんあるけど) というわけで、急遽《ウチごはん》にしよう、ということになりました。 キッチンに立つミチコさんはやや緊張気味。 そして時報をきいたかのごとく、五時きっかりにドアチャイムを鳴らす両親。(このあたりがちょっと変わってるなあと思う) いつもは二人で使うテーブルを四人が囲む。狭いし、食器もばらばらだけど、まあご愛嬌でしょう。 突然現れた異世界の人にアトムもキキも戸惑いっぱなし。ふだんお客さんなど来ることのない我が家。空気がまるで変わります。 二時間の《会食》を、(おそらく)にぎやかに過ごしたのちに、両親は帰ってゆきました。   そんないつもと違う一日。 「巣鴨に行ってきた」という両親が持ってきたおみやげは、《とげぬきもなか》に《とげぬきゆべし》。 ……渋いな。