さよならキキ

朝、キキを火葬場に連れていく。

よくかじっていたバジルの葉を添える。

「キキちゃん」

キキに家の中を見せて回る。もう見えないのだけど。

わずかひと月で再び同じカットを撮るとは思ってもいなかった。

さよなら、キキ。

おわかれ。

火葬場の煙突を見上げる。

    一ヶ月前のアトムに続いて、キキが死んでしまった。 夜、急に呼吸が荒くなり、夜間救急の動物病院に駆け込んだけれど、もう手の施しようもない状態。 とりあえず酸素吸入と点滴を続けながら病院で夜明かししつつ、明け方5時前に息を引き取りました。 こんなに急に具合が悪くなるとは予想もできず、狐につままれた、という表現がぴったりする。 昼間まで元気にしていたのになあ。 思えば先週、ミチコさんが実家に帰っている間、キキが僕に甘えてくるのは、それまでの2倍増しくらいの頻度だった。 《ミチコさんがいないと猫のキキ(♀)の甘えっぷりがすごい。モテる男というのは辛いものだ。》(9.24) なんてのんきにツイッターに書き込んでいたけれど、前触れだったのかもしれず。 昏睡状態のキキの呼吸が止まる前まで、動物病院のキキのいるケージの前で、持ち込んだパソコンで画像処理していた。 こんなときまで仕事するなよ、と自分でも思うけれど、ほかにやることもないし、納品が遅れ気味だし。 すまんね、キキ。 ・・・ この前日の写真を更新してから、しばらく日が経ってしまった。 なんとなく見返すのがしんどかったわけで。 とはいえ、この日の写真を更新しないと次に進めないし、とばしてしまうと、なんとなく気持ちがおさまらないし。 写真を選んでいると、どばっと泣けてしまった。 キキはもういないんだな。