プリンの上に乗っているクリームをなめるキキ。 キキはクリームだとかヨーグルトといったものが好き。一方でアトムが好きなのは魚、鰹節、海苔など渋いもの。 ミチコさんなら、「キキは女の子なのよー」と言って喜ぶのだろうけれど、僕にとっては同じ猫でどうしてそんなに好みが違うのか不思議でなりません。いや、猫からすれば、僕とミチコさんの違いを『同じ人間で』と思っているのかも。 人間同士のつきあいで生まれる違和感は、自分が相手に対して感じるものならば、相手も同じように感じているはず。であれば『五十歩百歩』で、実はそんなに違わないのかも。 ところで、ミチコさんが手にしているプリンは、近所のスーパーで僕が買って来たもの。こういうものがうちにあるのは、僕がミチコさんに対して何かよくないことをしたときで……。