子どもの大人
いえ、決してミチコさんがそうだと言っているのではありませんよ、はい。
否定はしませんが。
ドラえもんのコミックのどこかに、こんな話がなかったでしょうか。
のび太がパパに怒られて、タイムマシンで死んでしまったおばあちゃんのもとへ行き、パパを叱ってくれるようにお願いするというもの。
(違ってたらすみません)
しかし、おばあちゃんはパパを叱りませんでした。
パパはおばあちゃん(つまりパパのお母さん)を懐かしがり、甘えて泣くうちに寝てしまった、のです。
その絵を見ながら、なんとなく子ども心に納得しました。
「ああ、大人でもそうなんだ」と。
今や日本人の平均寿命は80歳を数えるまでになり、これからは子が還暦を過ぎても親は元気でいる世の中になるかもしれません。
それでも、子どもは心のどこかで親に甘えたがるものなのでしょう。たぶん。
そして親もそれを許容するのでしょう。たぶん。
理性ではなく本能のようなもので。
実家に帰ったミチコさん。
うちで二人で過ごしているときとは、何かが少し違う。
どう違うのかはうまく表現できないけれど、おそらく子どもになっているのでしょう。
見慣れない表情に、ちょっとだけ気持ちが揺れます。